健康経営優良法人とは

健康経営優良法人とは、日本健康会議が認定するもので2017年から始まった制度です。
認定された企業はホームページや製品に「特に優良な健康経営を戦力的に実践している法人」として認定マークをつけることができます。

健康経営優良法人は、日本健康会議が2017年に創設した認定制度で、従業員の健康管理を経営的視点で捉え、戦略的に実践している法人を顕彰します。
認定を受けた企業は専用ロゴマークを製品やウェブサイトに掲示することができ、社内外に向けて「健康経営を本気で推進している会社」であることをアピールできます。
制度開始から9年目を迎えた2025年現在では、大規模企業から中小企業に至るまで幅広い法人が参加し、健康経営の取り組みは年々高度化・多様化しています。

健康経営優良法人の制度は「健康投資はコストではなく将来価値を生む」という考え方を社会全体に浸透させ、医療費の適正化や労働生産性向上といった国レベルの課題解決にも大きく貢献しています。
実際に、健康経営優良法人に認定された企業群では、離職率の低下や平均残業時間の減少、医療費削減といった定量的な効果が各種研究で報告されています。

≪2025年最新≫健康経営優良法人の動向と注目ポイント

≪2025年最新≫健康経営優良法人の動向と注目ポイント
≪2025年≫健康経営優良法人の最新動向と注目ポイント!

・認定法人数が過去最多を更新
2025年3月発表の最新データによると、大規模法人部門で3,400社(上位500社は「ホワイト500」)、中小規模法人部門で19,796社(上位500社は「ブライト500」、501〜1,500位は「ネクストブライト1000」)が認定されました。
大規模法人は前年より412社増、中小企業はおよそ3,000社増となり、認定企業数の増加が加速していることが分かります。

・評価項目の見直し
2024年度からはメンタルヘルス対策の質、女性・若手活躍推進、感染症予防体制などESG視点を意識した項目が拡充されました。
2025年度はDXの活用状況(健康管理アプリの導入率やデータ分析体制)も加点対象となり、企業の取り組みがより総合的に評価されています。

・地域連携の強化
47都道府県すべてで認定法人が誕生し、自治体が地元認定企業を「健康経営パートナー」としてPRする動きも加速しています。
補助金や金融機関の金利優遇など地域施策と連動する事例が増えています。

・新たな顕彰枠の創設
ESG活動と連動した「サステナブルヘルスチャレンジ」部門が試行的にスタートしました。
CO₂削減と従業員健康を同時に推進するプロジェクトなどが表彰対象となり、健康経営の概念拡張が進んでいます。

・認定されるまでのステップ
健康経営優良法人の申請ルートは「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の二つに分かれていて、取り組み内容を的確に申告することが合格のカギとなります。

では、大規模法人、中小規模企業それぞれのステップを抑えておきましょう。

健康経営優良法人認定されるまでのステップ
健康経営優良法人の認定までのステップをチェック!

大規模法人部門

  1. 経済産業省が毎年実施する「健康経営度調査」にオンライン回答します
    設問数は約80問で、定量データと定性評価双方が求められます。
  2. 回答結果が同業他社比較で上位50%に入ると、翌年1月下旬に「認定基準適合書兼申請書」が送付されます。
  3. 申請書に各種KPI(健康診断受診率、ストレスチェック実施率、女性管理職比率など)と経営層のコミットメントを記載し、保険者(健保)経由で日本健康会議へ提出します。
  4. 日本健康会議 健康経営優良法人認定委員会で書類審査・追加ヒアリングが行われます。近年はオンライン面談で改善計画の有無を確認されるケースが増加。
  5. 3月上旬、合格法人が発表され、4月以降に認定証とロゴデータが交付されます。
    ロゴは広告や採用パンフレットに自由に使用可能です。

中小規模法人部門

  1. 所属保険者が運営する「健康宣言」にエントリーし、経営トップ名義で宣言書を提出します。
  2. 従業員向けの健康増進策(運動促進セミナー、禁煙支援、ストレスチェックなど)と実施スケジュールを申請書に具体的に記載し、健保に提出します。
  3. 保険者は申請内容を確認後、日本健康会議 認定委員会へ取り次ぎます。
  4. 書類審査のうえ加点要素(地域活動や独自制度)が評価されます。
    従業員50名未満の企業でも、体制が整っていれば十分合格が可能です。
  5. 3月に合格発表、4月から翌年3月まで認定が有効となります。
    更新を目指す場合は毎年改善レポートを提出する仕組みです。

健康経営優良法人としての取り組み

健康経営優良法人としての取り組み例

認定を維持・ランクアップするには、以下の必須項目と発展項目をバランス良く実施する必要があります。
2025年度のガイドラインでは、実施状況に加えて「成果指標の公開」「従業員参画度合い」が重視されています。

・定期健康診断受診率100%の実現
実施率だけでなく、再検査フォロー率や就業上の措置も評価対象です。
経営陣が受診を先導することで早期受診率が平均15%向上した企業も報告されています。

・健康推進リーダーの配置
各事業所に健康づくり担当者を置き、月次で施策をレビューしましょう。
オンライン拠点でもリーダー選任が求められ、拠点間で好事例を共有する仕組みが加点ポイントです。

・特定健診・特定保健指導の強化
40歳以上の加入者に対して非就業時間でも受診しやすい体制を整え、指導実施率を毎年10%以上向上させる事例が高評価となります。
最近では、ICTを活用した遠隔保健指導も推奨されています。

・ストレスチェックの受検と職場環境改善
労働者50人以上の法人は法定実施に加え、結果分析を基に組織単位で改善策を立案するPDCAが重視されます。
OODAループ※を取り入れ、迅速な改善策を回す企業も増えています。
※OODAループ:Observe(観察)→ Orient(状況判断)→ Decide(決定)→ Act(行動)の頭文字のことです。
変化の速い環境で柔軟に対応できるフレームワークとなります。

・法令順守とリスクゼロ宣言
申請日から過去3年間に健康管理関連の重大法令違反がないことが前提となっています。
コンプライアンス研修の実施回数や参加率も報告必須です。

・検診データの活用と匿名化共有
希望する40歳以上の加入者に向けて個人結果を可視化し、DXツールで集団分析したデータを健保へ提供します。
データドリブンな施策改善が評価されます。

・受動喫煙対策の徹底
敷地内全面禁煙や喫煙室の分煙基準適合化が必須です。
さらに、禁煙外来費用補助や喫煙率目標を設定している企業には加点が期待できます。

実際には、社内フィットネスジムの設置やテレワーク用のヘルスチェックアプリ支給、自転車通勤奨励金などユニークな施策を組み合わせ、従業員が主体的に健康づくりに参加できる環境を整える企業が増えています。

企業法人にとっての必要性とメリット

企業法人にとっての必要性とメリット
企業法人にとっての健康経営優良法人の必要性とメリット

日本の労働市場は少子高齢化で新卒採用競争が激化しており、就活生アンケートでは「福利厚生の充実」に次いで「働き方と健康配慮」を重視する回答が増えています。
健康経営の取り組みを可視化する認定マークは、採用広報で差別化できる強力なアイコンです。

また、健康リスクに伴う「プレゼンティズム(出勤時の生産性低下)」は、見えにくいコストとして企業利益を圧迫します。
国内調査では、プレゼンティズムによる損失額が従業員一人あたり年間45万円に上るという試算もあり、健康投資は生産性向上の“攻めのコスト”として注目されています。

さらに、認定取得企業は以下のようなインセンティブを得られます。

・金融機関からの融資条件優遇
一部地域金融機関では認定法人向けに金利を年0.1〜0.3ポイント優遇する専用ローンを設定。

・公共調達加点
国や自治体の入札・補助金審査で加点対象となり、ビジネス機会が拡大。

・保険料・健康保険組合拠出金の割引
加入健保によっては特別割戻金やインセンティブポイントが付与されるケースもあります。

・従業員エンゲージメント向上
健康経営優良法人となった企業では、エンゲージメントスコアが実施前比で平均12%上昇したという調査結果があります。

健康経営優良法人の今後の展望と準備ポイント

今後の展望と準備ポイントを確認
健康経営優良法人の今後の展望と準備ポイントを確認

2026年度以降は、カーボンニュートラルやジェンダー平等などサステナビリティ要素と健康経営を統合的に評価するとの予告が出ています。
企業は健康施策を単独で終わらせず、ESG戦略の中核に位置付けることが求められるでしょう。
そのためには、経営トップのリーダーシップと部門横断的なデータ連携基盤が不可欠となります。

これから認定を目指す企業は、次の3ステップで準備を進めておくことが推奨されています。

  1. 現状把握:健康診断受診率、残業時間、離職率など社内KPIを棚卸しし、他社平均と比較する。
  2. 施策設定:優先順位を決め、短期(1年以内)・中期(3年以内)・長期(5年以内)の目標を数値で設定する。
  3. 情報発信:取り組みを社内外に継続的に発信し、従業員の参画度を高める。社内報やSNSも活用すると認定後のPR効果が倍増します。

健康経営優良法人の認定は一度で完了するプロジェクトではなく、改善を重ねる長期戦です。
まずは小さな成功体験を積み重ね、一歩一歩従業員と企業が共に成長するサイクルを作っていきましょう!

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